ベジフルサポータージャーナル

山形県庄内麩(板麩)と北前船交易の関係とは?

伝統野菜・食文化

こんにちは。山形県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロの鐙谷貴子です。

皆さまのところはどんな冬でしたか?今年の山形は例年より雪が少なかったのですが、まだまだ寒さが続き、なかなか冬タイヤが外せません。暖かい春が待ち遠しい山形です。

さて、今日は山形県酒田市松山地区の町の産業として、江戸時代から伝わる「庄内麩」と呼ばれる板麩をご紹介したいと思います。

皆さんにとって、麩というとどんな形や色を思い出しますか?一般的に麩といえば「焼き麩」を指し、年輪のように層になった「車麩」、ドーナツ型の「ちくわ麩」、色付けした小さくかわいい「花麩」「てまり麩」などがあり、形や大きさ、製法などもさまざまです。また、乾物以外では生麩があり、あわやよもぎなどを加え、紅葉や花などをかたどったものがありますよね。麩は精進料理にはかかせない食材の一つです。

山形県酒田市では、全国でも珍しい板状の「庄内麩(荘内麩)」が特産品です。今日は、酒田市松山地区の株式会社マルトモさんの松本洋平さんを訪ねました。

 

板麩は良質の小麦粉と小麦グルテンに水を加えて練り混ぜ、焼き棒に巻きつけて丸く焼きあげ、そのあとに板状に薄く形成したもの。今でもその伝統の製法を受け継ぎつつ、新製法も取り入れながら商品づくりに取り組んでいます。

では何故、ここ庄内だけ全国でも珍しい板状になったのでしょうか?
それはさかのぼること江戸時代、庄内の港は北前船の交易が盛んでした。その船に積みやすいように板状にしたのが始まりと言われています。関西には米と一緒に焼き麩も運ばれました。そして今でも京都方面では庄内麩の需要が多いそうです。

松本さんによると、庄内麩を若い方にも使ってもらうために、簡単に味噌汁に使える形にしたり、子ども向けにとバターを使ったパイ風にしたり、食べただけではわからないような麩を練り込んだお菓子などに加工しています。料理だけではなく、麩の消費につながるようにと商品開発にいろいろと試行錯誤を重ねているそうです。確かに、そういう私も最近は買う回数も減ったかもしれません。

庄内麩は、酒田市松山地区の松山藩主酒井忠良が小麦栽培を勧め、この町の一産業として麩の生産を奨励しました。家内工業も含め当時は約300軒もあったそうですが、今では数件しか残っていません。当時、京都からの北前船で、京都や加賀(石川)から伝来されたと言われるのが、京都の丁字麩、石川の加賀麩。地域独特の麩が名産になっていますね。

小さい時からいつも家に必ずというほどあったこの庄内麩には、地域の歴史があり、それを受け継ぐ作り手の思いがあることを伺い、当時の城跡が一部残る松山地区を歩いてみました。松山城大手門は県指定建造物で、1782年に完成したが落雷のために消失。1792年に酒田本間家の寄進で再建されました。今ではこの大手門だけが残っています。

そんな歴史ある麩は、昔、肉を食べれない禅僧がたんぱく質補給のために重宝したという食材。植物性たんぱく質で、グルテンペプチドが豊富と言われています。鎮痛、血圧低下、胃液の分泌制御などの効果が期待できるそうなので、高血圧、胃、十二指腸潰瘍などの方に食べていただきたいです。 高タンパク質、低カロリーなので、成長期のお子さまや、高齢のお年寄り、そしてダイエットに、さらにアスリート食にもぴったりな食材ですね。

さらに、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含み、アルギニン酸、ナイアシン、グルタミン酸も多く含まれています。グルタミン酸は健脳、知能、筋肉づくりにも効果が高いと言われています。

保存食や軽量なのでお土産にも最適です。特に板麩は他の麩と違って板状になっているため、食感や食べ応えがあり、アレンジなどが幅広くできます。

<庄内麩・パイ風フルーツミルフィーユ>
焼き麩には溶かしバターを染み込ませて塗って、カリッと焼きました。

<庄内麩のかりんとう・黒砂糖きな粉味と甘辛ごま味>
戻さない麩をそのまま油でカリッと揚げて、黒砂糖ときな粉、大学芋のようにたれでからめて、白と黒ごまをかけます。
ちょっと懐かしくてクセになる、子どもも大人も大好きなオヤツです!

<庄内麩の卵とじ>
庄内麩を甘辛に煮てから卵でとじました。

<庄内麩の春カナッペ>
板麩は固いので軽く水で湿らせてからお好きな形にカットします。今回は三角形にカットして、ココナッツオイルを塗ってオーブンで5分加熱。お好きなものをオンしましょう。
今回は

  1. ピーマン美噌+金柑ピーマン味噌本舗お好きなジャムなどでも代用可能
  2. 酒粕とドライトマトのディップ+紅クルリ大根と豆苗

<庄内麩のラザニア>
板麩はあらかじめ水に入れてしっかり柔らかく戻しておきます。形を器に合わせて切り、ミートソースとホワイトソース、麩を交互にのせて、最後にチーズをかけてオーブンへ。

<庄内麩のクリスピー風スナックピザ>
焼き麩を一口で食べやすい大きさに切り、ピザソース、玉ねぎ、マッシュルーム、菜花、トマトとチーズでカリッとするまで加熱しました。一口サイズの簡単ピザです。カリカリのクリスピー風ピザです。

他にも

  • お味噌汁、お澄ましにそのまま入れます。
  • すき焼きや、鍋の〆に入れます。

など、いろいろな食べ方がありますよ。

最後に、こちらは株式会社マルトモさんのパイ風焼き菓子「ふうふる」。美味しくて軽いのでお土産にピッタリ。私のお土産の定番で、友人にも大好評です。

いつもの麩に加えて、庄内麩もぜひお料理にぜひ活用してみてください!また、保存食や非常食としても庄内麩を加えてみませんか?

株式会社マルトモ
http://www.fu-marutomo.co.jp/

山形県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの鐙谷貴子でした。

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