まつのベジタブルガーデン

青森県農嫁に受け継がれてきた「毛豆」

まつのベジフルサポーターレポート

みなさま、こんにちは

青森県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ
ベジフルビューティアドバイザーの
欠畑(かけはた)睦子です。
青森の在来種、青大豆の枝豆「毛豆」を紹介します。ほとんどが青森県内で消費されてきたため、外の方にはその存在があまり知られていません。
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「毛豆」その名の通り、金茶色のふさふさの毛に覆われたさやが特徴です。甘みが強くほっくりとし、ほのかに栗の風味がします。私が子供の頃、よく食べていたのも、この「毛豆」です。しばらく見ることはありませんでしたが最近はスーパーでも見かけるようになりました。
昔の稲作農家は、凶作に見舞われることもしばしば。今でこそ品種改良や技術の進歩で、青森でも立派なお米が生産されるようになりましたが、凶作の年でも育つ程強い「毛豆」は古くから農家の食卓を支えて来た「食財」です。
田植えの後、苗代や田の畔、畑のすきまに種が播かれ、9月下旬から10月上旬と、一般的な枝豆が終わる時期に収穫されます。種を採り育てるのは、かつては「嫁の役目」と言われていた風習ですが、今では殆どありません。そこで、青森の食文化に欠かすことの出来ない「毛豆」を絶やすことなく、青森の特産品のひとつとして広く知っていただきたいと津軽地方で「青森毛豆研究会」なるものが活動を展開していました。
その中でも板柳町の数件の農家でのみ栽培されている「毛豆」に、幻の「いたや毛豆」といわれるものがあります。2010年から始めた生産者の長内将吾さんの園地を訪ねました。

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伺った日はまだ収穫には早く、在来種の「毛豆」を、種改良し早生にした「あおもり福丸」をいただきました。
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長内さんの家は、もともと米とりんご農家です。現在は毛豆部会長もされ、学校給食・菜園指導もしており
笑顔の素敵な、熱血な若手生産者さんです。
      
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青森県認証 特別栽培農産物指定された4箇所の園地は米糠・稲わらで土壌の微生物の働きを活性化させ、土壌診断をし、6月中旬から周期をずらしながら植え付け、定期的な追肥をするという栽培期間中農薬不使用での栽培です。完全路地栽培で培土することで根の張りを強くし、さらに(コオロギは脅威だど話していました)土壌の微生物の働きを活性化させます。
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晩生の毛豆は夏の日差しをたっぷり浴び、北国特有の昼夜の寒暖差により、旨みを蓄えます。9月下旬から10月初旬に収穫された「毛豆」は、2時間以内に冷蔵庫へ運び一晩寝かせ、味をのせてから翌日出荷するという研究を重ねたこだわりを持ち、殆どが都内の百貨店で販売されています。
青大豆の枝豆である「毛豆」は畑の肉と言われるほど良質なタンパク質、豊富なカルシュウム・カリウム・
カロテン・ビタミンCを含みます。さらに水溶性ビタミンB群の一種の葉酸は造血やからだの発育を助けるといわれ特に妊婦さんの食事には、プラスしたい栄養満点の食材です。アミノ酸の一種メチオニンが、アルコールの分解を促進し、肝臓への負担を軽くする働きがあると言われているためか、塩茹でした「毛豆」はビールのおつまみが定番です。豊富なイソフラボンは更年期障害の緩和、ポリフェノール群のサポニンは、高血圧、動脈硬化を防ぐ働きやダイエット効果も期待されています。
そうしたこだわりから作られた、長内さんの幻の「いたや毛豆」。去る9月23日、弘前市内で行われた「最強毛豆決定戦2016」に出品され、15エントリーされた中から昨年の3位を上回り、見事グランプリに選ばれました。
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応募した87名の審査員が、基本に沿って茹でられた「枝豆」の味を審査するもので、私も初めて審査というものに参加しました。
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それぞれの生産者のこだわりが少しづつ違い、どれも美味しいのですが、最強!を実感したしだいです。
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銀と銅は、親子ほどの年齢差の師弟でした。

このように元々、農嫁に受け継がれて来た「毛豆」。後継のかたちは変われど競い合いながら、今に受け継がれ、青森のおいしい一品であることに、誇りを感じ、応援していきたいと思いました。
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青森県の各家秘伝の種と手間ひまから生まれる濃厚な旨味のある「毛豆」。見かけましたら是非、手に取って食べてみてください。

青森県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ
ベジフルビューティーアドバイザーの
欠畑睦子でした。

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