まつのベジタブルガーデン

青森県十和田の夏の風物詩!巨大な夏野菜「ゆうがお」

まつのベジフルサポーターレポート

青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑(かけはた)睦子です。

「心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕顔の花」

源氏物語でもおなじみの夕顔は、古くから美しい女性の例えとされてきました。夏の夕方に開花して翌日の午前中にはしぼんでしまうことから名付けられた「ゆうがお」は、8月の誕生花の一つでもあります。花言葉は「はかない恋」ともいわれるそう。夕闇の中に咲く白い花は幻想的ですね。

そんな「ゆうがお」は夏野菜の一つでもあります。青森県でも食べられている地域は限られているようで、主に県南地域では「ゆうがお」は馴染みのある野菜ですが、ひとやま超えた津軽地方ではほとんど食べないということを知ったのは野菜ソムリエになってからでした。

ここ十和田市では冬瓜を食べる習慣はなく、栽培もされないため、ほぼ見かけることがありません。夏になると当たり前に食べてきたのが「ゆうがお」です。ウリ科のつる性一年草で原産は北アフリカやインド。7月下旬~9月上旬まで食べられます。

長さは60~90センチ、大きいものでは1メートル以上、重さはなんと7~9㎏にもなります。

連日30度を超える今年の夏の暑さは成長を助長し、まだ手のひらサイズだったのが2日後には長さ20センチほどに成長してしまいます。


地元スーパーマーケットの産地直送「おらほ(私たち)の野菜」コーナーに出荷している十和田市羽立の中野ちせさんの畑を訪ね、ゆうがおの花を見ることができました。はじめて見た純白の花と、つるりとしたまだ小さなゆうがおは、みずみずしくその美しさに感動しました。

こちらのハウスでは多品種、新顔野菜の栽培にも挑戦しており、長年食べてきたゆうがおは一角にひっそりと植えられていました。核家族化が進んだこともあり、現在では生産者が激減し、市場に出回ることもなく、地元スーパーや道の駅でしかお目にかかれません。食べ頃まではもう少し先のようです。

一方、十和田市切田の古館留美子さんの畑では、どうしても下に向いてしまいがちなつるの誘導にネットをかけたらうまくいったそうで、鈴生りのゆうがおは収穫目前でした。

ゆうがおは水分が多く、食物繊維も豊富。カリウム、ビタミンC、カルシウムが含まれており、整腸・抗酸化作用、むくみ解消と夏の暑さで弱った体調を整えてくれます。乾燥させることでミネラル分が増量します。干瓢(かんぴょう)として巻き寿司でもおなじみですね。大きくなるとともに減りますが、苦味成分のククルビタシンは少ないながらもおいしさの特徴でもあります。

十和田市内のスーパーではカットされ、トウガラシ付きで販売されています。トウガラシの辛みが苦味をやわらげ、旨みを引き出すとされ、欠かせない食材となっています。

まず縦に半分に切り、中のワタと種を取り除きます。種を取ったワタも捨てずに使いましょう。皮を剝いて料理にあわせてカットします。

地元ではシンプルに炒めて食べることがほとんどで、暑い夏には冷蔵庫でよく冷やし常備しています。おすすめはミョウガと一緒に炒めて出汁醤油や味噌で味をつけます。ミョウガの香り成分αピネンが食欲と消化を促し、血行も良くしてくれます。

喉ごしのいい、おなじみの鳥そぼろ餡かけにしてみました。

また、アンチョビとオリーブオイルで洋風にすれば、白ワインにもあいますね。

デザートとして、アロエのように角切りにし、砂糖水で茹でたあんみつ風はいかがですか?

色が白く味が淡泊なので、和食に限らずいろいろな料理に使え、バリエーションも広がります。食べきれないときは、食べやすい大きさにカットしてジッパーに入れ冷凍保存しましょう。また、ピーラーで薄く削ぎ天日干しすれば、いつでも使える干瓢も作れます。

夏になると食べたくなるゆうがお、後世に伝えていきたい夏野菜です。ぜひ一度食べてみてください。

青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑睦子でした。

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