ベジフルサポータージャーナル

山梨県富士の傍らで初夏の香りを体感!自園自製の「南部茶」

まつのベジフルサポーターレポート

山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実です。

甲府市から南へ約60キロメートル離れたところにある南部町。その名の通り、山梨県の最南端、静岡との県境に位置していて、ここから見える富士山は、私が見慣れた左右対称のものではなく、右に宝永山がくっきり確認できます。
宝永山入りの富士山
南部町は温暖で降水量が多く、山梨県最大のお茶処として知られています。今回、町内で茶葉の生産から加工、販売まで行っている「まるわ茶園」を訪ねました。こちらが、園主の一瀬辰治さんと奥様の宏美さん。
一瀬さんご夫妻
早速茶畑にご案内いただくと…ご覧ください!一面若草色です!
茶畑
「やぶきた」という日本を代表する品種です。今年は4月23日から新茶摘みを行っています。例年5月頃始まりますが、今年は気候の影響で少し早まったそうです。葉が濡れていると作業が行えないため、雨の日はもちろん、連日雨が続いて葉が湿っている時は作業ができません。また、昼夜の気温差等で葉に露がついている日は、早朝から「露払い」という作業を行って葉を乾かしてから摘みます。茶葉の収穫作業はこんなにも天候の影響を受けるのですね。

摘採は手摘みと機械摘みで行っていますが、手摘みで行う畑がこちら。
自然仕立て
「自然仕立て」と呼ばれ、枝が自由に伸びています。本来の力をいかし、品質の良いお茶を作るためにこのようにしています。また、黒い被覆資材をかぶせて葉に届く日光の量を制限することで、渋味が抑えられ旨味が増すのです。

早速私も茶摘みにチャレンジ。
手摘み体験
摘むときは「一芯二葉」が基本。
一芯二葉
茎のいちばん先端にある芽の部分とすぐ下にある2枚の若葉を摘み取ります。
茶摘み中
30分~1時間くらいの作業でしたが、摘めたのはたったこれだけ。
成果
通常加工場には60キロ単位で持っていくそう。60キロ摘むには何時間かかるんだろうと想像すると気が遠くなりました。生産者様のご苦労を考えると、本当に頭が下がります。

その後、茶畑から車で数分のところにある加工場へ。摘んだばかりの茶葉を機械に投入します。
茶葉を投入
まずは蒸す工程。圧力をかけずに蒸気をかけ、酸化を止めます。
スイッチON
蒸気をかけた茶葉がこちら。水分を含んでいますね。
蒸した茶葉
それから、茶葉を揉みながら乾かす工程に入ります。揉みながら乾かしている茶葉がこちら。
もみながら乾かす
粗揉、揉捻、中揉、精揉という工程で数時間かけて揉み、葉の中の水分を乾燥させます。これは煎茶などの原料になります。それに対し、揉まないで乾かすのが碾(てん)茶です。碾茶を白臼で引いたものが抹茶になります。

摘んだ茶葉はその日のうちに荒茶になります。荒茶は形状や大きさがバラバラ。ここから部位別に仕分けたり大きさをそろえる作業を行い、やっと製品になります。
荒茶
ひと口で「お茶」といっても、その種類はさまざま。1種類の茶葉でも加工方法を変えるだけで、緑茶、ほうじ茶などの日本茶だけでなく、紅茶や中国茶、最近では柚子や生姜などと合わせたお茶もあり、組み合わせは無数です。

さて、ここで水出し煎茶が登場!
水出し煎茶
煎茶=濃い緑というイメージがあったため、その色の薄さにびっくり!そして、飲んでみるとその味の濃さに衝撃を受けました。色と味は比例しないことを思い知らされた瞬間でした。

煎茶の瓶に沈んだ茶葉を取り出し、「これに醤油やポン酢をかけて食べることもできるんですよ」と宏美さん。
お茶の醤油がけ
醤油をかけて食べてみると、お茶の香りがする海藻のような味わい。おかひじきとも似ている気がします。納豆などに入れても美味しそうです。

ここで、美味しい煎茶の淹れ方を教えていただきました。

  1. 一度沸騰したお茶を人数分の湯飲み(または湯冷まし)に入れ、60度くらいに冷まします。
  2. 急須にたっぷり茶葉を入れます(3人前だと大さじ2杯くらい)。
  3. 用意した人数分のお湯を静かに急須に注ぎます。
  4. ゆっくりと茶葉が開くのを待って、最後の1滴まで残さずに注ぎましょう。

煎茶
茶葉は温度変化に非常に敏感。開封後は高温多湿を避け、冷暗所に保存して早めに飲んでください。また、香りを吸収しやすいので、香りの強いものと一緒に保存しないよう注意が必要です。

こちらは「特別賞(平成29年度山梨県茶品評会)」の立派な盾。
山梨県茶品評会特別賞
他の産地に比べて栽培面積は決して広いとは言えませんが、その分手間をかけて高品質なお茶を育てている努力の賜物です。

早速自宅で「まるわ茶園」のお茶を楽しみました。
お土産
緑茶フィナンシェに水出し煎茶を添えて。
翌日のカフェタイム
まるわ茶園のリーフレットには「1日1回は急須から注いだお茶を飲みながら、じっくりと時間を味わってもらいたい。まるわ茶園が売るのは、茶葉ではなく、みんなで分かち合う『お茶の時間』なのです」と記されています。日々様々なことに追われ、ゆっくり時間を過ごすことが少なかった自分を見つめ直すきっかけをいただいた気がします。

山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実でした。

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