ベジフルサポータージャーナル

宮崎県生産量は西日本最大級!「えのき茸」の栽培工程に迫る

まつのベジフルサポーターレポート

宮崎県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ上級プロの湯浅まき子です。

食物繊維やビタミンB類などが豊富なきのこ類は、料理にうま味を加えてくれるうえにローカロリーでヘルシーな食材。今回は宮崎市高岡町で「えのき茸」を生産している「株式会社加藤えのき」を訪問しました。
えのき茸
天候不良の影響を受けて葉物野菜が高騰しても、安定した価格で買い求められるのも魅力のえのき茸。今回は加藤修一郎社長に栽培施設内を案内してもらい、えのき茸の栽培の様子をお伝えします。

まずは、生産者ならではのとっておきのえのきレシピ。

鍋物はもちろん、炒め物や和え物などの料理で楽しめる食材「えのき茸」ですが、加藤社長おすすめのレシピは「えのき茸の揚げ出し」だそうです。 えのき茸料理
「えのき茸の石づきの部分を揚げ出し豆腐と同じレシピで作った料理で、とても美味しいですよ!」と教えてくれました。普段捨てがちな根元の部分にも、たくさんの栄養価が含まれているのでぜひ利用したいですね。

そんな美味しい情報を笑顔で教えてくれた加藤社長は「みかん農家をしていた父が、みかん価格の暴落を懸念して新しい事業として1973年にえのき茸の栽培に取り組んだのが始まりです」と語ります。
㈱加藤えのき 加藤社長
二代目を継いだ加藤さんは23歳で就農してから19年、効率的な栽培方法を確立するために工夫と技術を積み重ねながら規模を拡大してきました。現在、従業員数は160名となり、年間生産量は4,600トン!西日本最大級の生産量を誇るまでになっています。

「敷地面積は1万坪で、生産施設は4棟あります」と加藤さん。早速、その中のひとつの施設を見学させてもらうことに。
えのき茸のビン
えのき茸を植え付ける培地(ばいち)は、コーンコブミール(トウモロコシの芯を粉砕したもの)や米ぬか、ビートパルプなどの原料を使用。それらを機械に投入し、ミキサーでブレンドしたものを培地として専用のビンに入れます。

栽培施設内に入る際には衛生キャップを身につけ、粘着ローラーで衣服に付着している髪の毛や埃を取り除き、異物が入らないようにエアシャワーを使用。衛生管理は徹底されています。
エアシャワー
いよいよ、えのき茸の栽培の流れを追いかけます。栽培施設の中では、生育段階に合わせて温度や湿度、CO2を管理されたいくつもの部屋を移動します。

まず「殺菌」からスタートです。深さ20センチほどのプラスチックのビンに培地を詰め、ふたを閉めた後、ビンを殺菌します。「100120度で約5時間かけて高温殺菌することで、ビンの中を無菌化します」と加藤社長。その後放冷して、えのき茸の菌糸を植え付ける「接種」という作業を行います。
えのき茸培養
接種の後は、約1ヶ月の「培養」の期間。加藤社長が指さしているように、最初は茶色い部分が多い培地ですが、ビンの中で少しずつ菌糸がまわっていき、1ヶ月ほどで全体が白くなって培養が終わります。
えのき茸菌掻き
培養後には「菌掻き」という作業。えのき茸栽培の専門用語が続きますが、「菌掻きは親種の菌を取り除いたりして刺激を与えることで発芽を促します」と加藤社長が分かりやすく説明してくれます。
菌掻きをした後は、芽が出やすい温度と湿度に設定された部屋へと移します。
えのき茸 芽だし
「芽出し」の段階で、えのき茸の芽が出るのを待ちます。暗室の中のビンには、えのき茸の芽が出ていました。芽が出たら「ならし」の段階を経て「抑制」に移ります。

えのき茸の茎の長さをそろえ、生育を整えるため低温で管理する「抑制」に入る前に、中間の温度にならすことが必要だそう。えのき茸の栽培には細かな工程があることに驚きです。
えのき茸 抑制
工程ごとに区切られた暗室の部屋の中を移動しながら「抑制」の場所へ。5度ほどに管理されているので、ひんやり冷気を感じます。この段階で小さいながらえのき茸の形に育っていますね。
えのき茸 紙巻き
次は「紙巻き」と言われる工程。2~3センチほど成長したところで、えのき茸が横に広がらないようにケースを巻きます。「商品価値を高めるために、まっすぐなえのき茸に育てるためです」と加藤社長。
えのき茸 生育
その後は生育期。菌掻きから1ヶ月ほどでケースから頭が出るくらいになり…
えのき茸
最初の植菌から約2ヶ月で、このように白くてまっすぐなえのき茸に成長しました!ひとつのビンで約500gのえのき茸が育ちます。
えのき茸
そして、いよいよ収穫。ケースを外された後に施設のラインに乗って…
えのき茸収穫
収穫の機械で、見事に次々とケースから外されていきます。
えのき茸計量
その後、計量して袋詰めしていきます。
えのき茸 箱
袋詰めされたものは「加藤えのき」のロゴが入った段ボールに詰められ、冷蔵の保管庫で出荷を待ちます。
保管庫
「出荷先は、主に九州管内、広島、大阪方面で、生産地から消費地まで低温を保ったままコールドチェーンでの流通です」と加藤社長。大切に育てたえのき茸は、消費者の手に届くまで品質を落とさないような取り組みをされています。
加藤社長
大切に育てたえのき茸を手に、「生産者としてよいものを作ると同時に、社員みんなが仕事で達成感を持ち、所得も増えて笑顔になれるように、毎年テーマを持って改善して成長していきたいと考えています」と意気込む加藤社長。

最後に「徹底した品質管理のもと、約2ヶ月かけて育つ安全・安心にこだわった美味しいえのき茸、ぜひ食べてくださいね!」と笑顔で語ってくれました。

年間を通して私たちの食卓を楽しませてくれる食材「えのき茸」の細かな栽培工程を見せてもらい、とても大切に育てられていることに感動です。みなさんもぜひ、独特な食感と食物繊維が豊富で栄養価の高い「えのき茸」の魅力を感じてくださいね!

———————————
こちらの記事に関するお問い合わせは、以下よりご連絡ください。
【お問い合わせページ】
http://www.matuno.co.jp/contact.html
———————————

宮崎県の記事