ベジフルサポータージャーナル

福井県風と土と緑が育む「とみつ金時」

まつのベジフルサポーターレポート

福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代です。

気持ちのいい風が吹き、季節はすっかり秋めいてきました。新米に栗、かぼちゃ、きのこと秋の味覚が目白押しですが、なんと言ってもさつまいもがおいしい季節です。今回は、あわら市富津で栽培されている「とみつ金時」をご紹介します。

石川県との県境に位置するこの地域は、日本海からの風を利用して、風力発電が行われているほど風が強い地域です。海からの風と赤土を含む山砂のしっとりとした土がおいしいさつまいもを育ててくれます。
今回、訪ねたのは株式会社フィールドワークスの吉村智和さん。先代のご両親の頃からこの土地でさつまいもの栽培を始め、現在では、年間約200t~250tのさつまいもを出荷されています。
さつまいもの収穫は、8月下旬~11月上旬ですが、とみつ金時は「キュアリング貯蔵」という徹底した温度、湿度管理をすることによって、美味しさを保ったまま10か月近くの長い期間出荷することができます。

「キュアリング貯蔵」とは、土付きのさつまいもを温度35℃湿度95%以上の室内に90時間置き、その後一気に12℃まで温度を下げ、湿度を85%に保った状態で保存します。さつまいもの表面をコルク化することで、採れたての頃より更に糖度を上げた状態で長期に保持することができるのです。キュアリング貯蔵したさつまいもは、12月から翌年6月頃まで出荷が可能で、とみつ金時は全体の60%~70%がキュアリング貯蔵されます。

今年のキュアリング貯蔵は始まったばかりで貯蔵庫がいっぱいになるまでは、12℃で保存し、満杯になったところで温度と湿度を上げてキュアリング貯蔵処理がスタートします。
吉村さんをはじめとする5人の後継者グループ「エコフィールドとみつ」は、福井産建材を90%以上使用し、太陽光発電を利用した木造のキュアリング貯蔵施設を平成23年に建設、おいしいさつまいも作りと地域社会のコミュニティの活性化を目指しています。

(クロタラリア  フィールドワークスHPより)

「エコフィールドとみつ」の試みとしては、品質を安定させるためにウイルスフリーの苗を使い、化学肥料を減らす取り組みとして堆肥や緑肥を利用しています。環境に配慮した農法での土づくりのために2~3年に一度クロタラリアなどのマメ科の緑肥を栽培して、土壌を蘇らせています。
また、素敵なデザインのパッケージで出荷することで、とみつ金時のブランド力を高めています。
芦原温泉のあわらおもてなしキャラクター「湯巡権三(ゆめぐりごんぞう)」もパッケージに。

収穫を見せていただきました。

まず芋づるの部分を機械で刈り取り、

機械で取り切れないつるの根本部分とマルチを手作業で取り除きます。

更に機械で掘り起こした後に、芋を傷つけないように手作業で収穫。
コンテナに詰めます。手作業も多く、大学生のアルバイトさんも頼んで、広大な農地での作業が11月初旬ころまで続きます。

選果施設と出荷を待つさつまいもの箱

富津地区では「とみつ金時」の他に「とみつ蜜芋(安納芋)」「紅はるか」「紫芋」「シルクスイート」などの品種が栽培されています。

富津では、近年、今まではいなかったイノシシが出没するようになりました。広い農地を守るための獣害対策として、今年から豚を飼い始めました。
養豚は、物音や匂いに敏感なイノシシを寄せ付けないという目的もありますが、耕作されていない土地で、さつまいもや草を食べて放牧された健康な豚を、富津のブランド豚として食用に出荷しようという新たな試みです。

あまりにかわいらしいので、かわいそうな気もしますが、富津の美味しい豚肉が食べられる日を楽しみに待ちたいと思います。

奥さまのみゆきさんは、イベント運営、経理担当、さつまいもペーストなどの加工品作り、そして時には畑にも出るという自らをなんでも屋と言われるスーパーウーマン。

とみつ金時は、今まではほぼ福井県内だけで消費されてきましたが、県外でのマルシェや東京のアンテナショップなどでのイベントにも積極的に出店することで、県外向けの出荷にも力を入れ始めています。
また、子供たち向けの収穫、料理イベントをきっかけに、農業と農産物を親しみの持てるものにしたいと、ご自宅の隣に、イベントや料理教室もできるキッチンスペースを建設、この秋にも、さつまいもの収穫、料理イベントが開催される予定です。

以前に行われたイベントのお料理の様子。どれも素材の味を楽しめるシンプルなものです。これからは、このキッチンスペースでたくさんの人を笑顔にしてくださることでしょう。

食育インストラクターの資格を持ち、料理上手なみゆきさん、さつまいもを使った料理の開発にも積極的です。みゆきさん考案のさつまいも料理を何点かご紹介します。

とみつ金時のグラタン

とみつ金時のモンブラン

とみつ金時と焼き鯖のニソワーズ風サラダ

どれも彩りも素敵で、作って食べたくなります。

自然と共に、農業を楽しく、魅せるものにしていきたいという吉村さんご夫婦の今後に注目していきたいです。

福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代でした。

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