まつのベジタブルガーデン

東京都駅から5分!住宅地の果樹園で親子食育体験

まつのベジフルサポーターレポート

東京都のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロの増田智子です。

東京でも少し郊外の住宅地には、まだまだ野菜や果物を生産されている方がたくさんいらっしゃいます。ビルが立ち並ぶ様子を想像される方には意外かもしれません。今回は私たち「ママ野菜ソムリエサークル」のメンバーで訪ねた、西東京市の保谷伊佐男(ほうやいさお)さんの保谷果樹園をご紹介します。

保谷梨 梨畑

西武新宿線東伏見駅から徒歩5分の住宅地にあります。

保谷果樹園

ご実家の農業をついで25年の保谷伊佐男さんと4代目となる息子優貴(まさたか)さんが特産の梨のほかブドウ、キャベツや大根、ナス、じゃがいもなどの野菜も栽培され、自宅敷地内の直売所などで販売をしています。

保谷さん

夏休み後半のこの日、保谷さんの農園と敷地をお借りして「梨・ブドウの収穫体験とフルーツカッティングの実演」のイベントを企画しました。

ママ野菜ソムリエサークル

講師はサークルメンバーで野菜ソムリエ上級プロの渡辺康子さん。ナビゲーターは副代表の増田純代さんです。

フルーツカッティング実演

まずはフルーツカッティング。梨とブドウを使って、きれいに見えるコツや飾り切りなどを教えていただきました。渡辺さんは以前高級フルーツ店の店長をされていただけあって、フルーツの扱いもさすがです。ポイントは「できるだけ触らないこと」と「よく切れる包丁を使うこと」。

フルーツカッティング@渡辺康子さん

素晴らしい一皿が出来上がりました。これには子どもたちも興味津々でじっとのぞきこんでいました。
 続いては、保谷さんの畑で採れる梨「幸水」「豊水」「秀玉(しゅうぎょく)」の食べ比べです。

梨ブドウ食べ比べ

安定の味「幸水」はサクサクの食感で、たっぷりの果汁、甘みもしっかり。「豊水」は果肉が柔らかめ、程よい酸味もあってバランスが良く、子どもたちにも人気でした。菊水×幸水で生まれた青梨の「秀玉」は、赤梨に比べ上品な甘さでさっぱりめとのことでしたが、私たちが食べたものは水分たっぷり・甘みたっぷりで一番人気!栽培数が少ないので希少な梨です。

そして、ブドウも食べ比べ。

藤稔

人気上昇中の「藤稔(ふじみのり)」。濃い黒色になるはずが、今夏の日照不足で色づきがもう少しのものも。左右ともに藤稔ですが、日当たりの関係で色合いが違います。試食のために早めのものも採っていただきました。お味はどうかな?どちらも酸味がありますが、濃く色づいた方が食べやすく、甘みものっていました。

高尾 藤稔 サニールージュ

東京の名山「高尾山」にちなんで命名された「高尾(たかお)」。巨峰を親に持つので、濃厚な甘み、酸味も少なくてジューシーです。「サニールージュ」。本来ならばルージュというだけあって鮮やかなルビー色になるはずが、こちらも日照不足のため色づきが悪く、房の中でもグラデーションに。

サニールージュ

でも、これがカッティングの盛り付けにはいいアクセントになっていましたね!試食の結果やみんなの好みなど聞きながら、どれを収穫しようか考えて、さあ梨&ブドウの畑へ出発です。説明を聞きながら収穫していきますよ。

梨畑

「保谷梨」はJA東京みらいのブランド梨で、木に実ったまま完熟させる独自の栽培方法を取っています。どれも大玉でおいしそう!形が良くて色づきのいいものを探して棚の下をうろうろ。

梨収穫

お目当てをみつけたら、子どもたちも背伸びして自ら収穫してみます。「下へ引っ張るんじゃなくて、実をしっかり持って上に持ち上げるようにしてごらん」言われたようにすると、軸がぽきっと枝から離れます。桃やミカンなども収穫したことがありますがちょっと違う感覚です。

保谷梨

長い軸は果実を傷つけてしまうので、短めに切りました。「桃栗3年柿8年」なんていいますが、梨は4~5年で収穫出来るようになり、10年から20年くらいが一番収穫量が多く、保谷果樹園の古木では30年ものもあるそうです。

保谷梨

梨の木の植え替えの時に、代わりにブドウを植え、藤稔や高尾など増やしてこられたそう。

保谷ブドウ

東京都の特産品で試食でも一番人気だった「高尾」は忘れずに収穫&購入していかなくては。ブドウ棚の下をうろうろし、袋の下からのぞいて品定め。選んだものはかなりの大物でした!

ブドウ 高尾

ブドウも「保谷葡萄」とブランド化されています。梨栽培によって培われた良質な土壌を活かして昭和50年ごろから栽培が始まったそうです。一粒一粒が大きく、豊富な果汁とみずみずしい食感のブドウ。近年では種無しも栽培しており、贈り物にも喜ばれています。

梨畑

都市農業をされている方を訪ねると、いつもお聞きするのは住宅地の中に圃場があることによるご苦労。農薬の散布や土埃にも気を使っていらしゃるそうです。農薬散布の際は、畑の周りにロールスクリーンのようなシャッターを下ろして、周りに飛び散らないよう細心の注意を払っているとのこと。そして、

ダニ 天敵

梨の木につくダニを減らすため天敵を利用したり(この袋の中に天敵が入っているそうです)

フェロモン剤

また、こちらのフェロモン剤は寄ってくる害虫を増やさせないようにします。

いろいろな工夫をしながらも、変わらず東京の住宅地の中で農業を続けていらっしゃること、誇りに思います。東京にはまだまだこうした魅力ある生産者さんがたくさんいらっしゃること、子どもたちと共に体験し、知ることができました。野菜ソムリエとして、東京都民として、親として、これからも東京の生産者さんを応援していかなくてはと心から感じました。今回はイベント企画の中で特別に収穫体験をさせていただきました。

普段は梨やブドウ、野菜など保谷さんの庭先の直売所で購入することができます。梨・ブドウは9月中旬までとなっております。ご近所の方に大変人気で贈答用やリピーターの方で売り切れてしまうこともあるのですが、お近くにお越しの際はぜひ立ち寄られてみてはいかがでしょうか?素敵な笑顔の保谷さん親子にお会いできますよ。

保谷果樹園直売所

以上東京都のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロの増田智子でした。

 

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