まつのベジタブルガーデン

静岡県驚き!幻と呼ばれる「レッドキーツマンゴー」

まつのベジフルサポーターレポート

みなさま、こんにちは。静岡県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの小櫛香穂です。

先日おもわず二度見をしてしまったこちらの写真。女の子が大きな実を抱えている様子です。

この写真は鈴木農園(静岡県三島市)の鈴木貴之代表がSNSへ投稿した画像で、「マンゴーが落ちてるというから見てみたら、地面にそれもうちでは希少なレッドキーツマンゴーじゃないですか!!重さを量ったらすでに1.4キロ…残念です」という文章が添えられていました。「レッドキーツマンゴー」とは?これはとっても気になります。そこで、早速鈴木農園にお邪魔してきました。

こちらが鈴木貴之さん。温暖な気候と富士山の湧水豊かな静岡県東部に位置する三島市の中でも、名水100選に選ばれる柿田川湧水にほど近く、その清冽な地下水を利用したマンゴー栽培に取り組んでいます。

以前はキノコの栽培を手掛けていたそうですが、他の生産者との差別化を図りたいという思いから、11年ほど前にお父様がマンゴー栽培へと切り替えました。三島市にはマンゴーの栽培者が他にはいないため、当初は栽培技術に関して苦労も多かったそうです。その後、貴之さんが家業を継ぐために就農したのは6年ほど前。現在は伊豆半島函南地区の農家と共に「みしまマンゴー」としてブランドを確立され、ご両親、奥様とともにフルーツ栽培に励んでいます。

マンゴーのハウスは全部で3棟あり、その広さは約25アール。ハウス内には230本のマンゴーの木が並んでいます。訪問した7月中旬過ぎは、まさに収穫のピークを迎えていました。その230本のなかでたった1本だけ他とは色の違う大きな実をつけた木がありました。

これが冒頭の写真のレッドキーツマンゴーです。その存在は流通量の少なさから「幻のレッドキーツマンゴー」と呼ばれることもあります。一般的に国内で栽培されているマンゴーは、アップルマンゴーと呼ばれるアーウィン種ですが、その出荷が終わる8月頃が収穫期となります。アップルマンゴーが通常300~500グラムなのに対して、レッドキーツマンゴーは大きいもので2キロにもなるそうです。

私の手と比べてみました。小玉スイカのサイズに近いですね。

卵形で果皮はかなり暗めの赤紫色といった感じ。「マンゴーを食べたときに感じる繊維質が少なく、舌触りがとても滑らか。こちらの方が美味しいと感じる方が多いかもしれないですね」と鈴木さん。「それならもっと栽培したほうが?」という質問には、「とにかく着果量が少なくて」と語ります。

また「完熟すると枝から落ちるアーウィンと違い、レッドキーツマンゴーは収穫から2週間ほど追熟期間が必要となります。食べ頃の見極めが難しいので出回りも少ないのではないでしょうか」とのこと。しかしその滑らかな舌触りのマンゴーは根強いファンも多く、鈴木さんのレッドキーツマンゴーは毎年楽しみにしているリピーターの方々により完売してしまうそう。

ところで、ハウス内のマンゴーの根元を見ると、一つひとつの木がまるで大きな鉢で育てているようです。

これは「ボックス栽培」という方法だそう。直径50〜60センチのボックスに入れて育てながら、5〜6年に一度10センチ程度の拡張を行います。不織布を巻いた鉢に苗を植えるイメージです。6〜7年経過すると、ボックスの中の根はグルグルとぐろを巻いたような状態になってきます。ボックスに入れることで根を張らせずストレスで糖度の高い実ができあがり、宮崎県のブランドマンゴーと同等の糖度になるそうです。また個別の生育状況に応じて、肥料や水をピンポイントで与えられるのもメリットです。

近年マンゴーは沖縄県や宮崎県、鹿児島県など、国内でも広く栽培が行われるようになりました。先日は山梨県や滋賀県のまつのベジフルサポーターからも栽培の様子が伝えられていましたね。名水でみずみずしいフルーツを育てる鈴木農園の「みしまマンゴー」も皆様にお知らせしたい美味しさです。

静岡県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの小櫛香穂でした。

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