まつのベジタブルガーデン

愛知県料理の名脇役「大葉」を使いこなそう!

野菜・果物品目レポート

皆さま、こんにちは。愛知県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの山村聖子です。夏の食卓に欠かせない名脇役「大葉」。お料理にちょっと加えるだけで、見た目も香りもグッと美味しさがアップする大葉、その生産量全国1位が、愛知県豊橋市ということをご存知ですか(農林水産省・地域特産野菜状況調査より)。
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今回は、豊橋温室園芸農業協同組合大葉部会長の西土邦雄さんにお話を伺ってきました。

大葉部会の生産者さんは現在96名。毎日出荷する大葉の量は、約2600箱(通常サイズのもので12000枚入)。大型トラックに積み込まれ、東京、大阪、福岡、仙台などへ運ばれます。量販店の野菜売り場へ並ぶ量が一番多く、次に刺身パック用や業務用にと、日々各所から大量に求められています。
 
96名もの生産者さんが、広い栽培面積の中で少しずつ植える時期をずらして栽培しています。約半年ごとに植え替えて土壌洗浄をするだけでなく、季節により栽培しやすい品種に変えたりする工夫もされています。色や香りが良いものを独自に選抜した在来種や夏に栽培しやすい品種「愛経1号」などを使い分け、一年を通して絶えず生産をしているのです。 

 ハウス内は、ふんわりと大葉の良い香りに包まれ、思わず「いい香りですね」と私が呟くと、「毎日なので、もうわからないです(笑)」と西土さん。
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収穫作業をのぞいてみると、数名のスタッフの方たちがリズミカルに大葉を摘み取り、バケツに入れています。早い方は、摘みながら次に摘む大葉を定め、手が止まらないようにしているそう。葉を一枚一枚、手作業で収穫し、さらにサイズ分けして、10枚ずつに束ねる作業、パックに入れる作業などを含め、収穫から出荷まで約2日ほどかかります。
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サイズは、全体の9割ほどを占めるLサイズの他、Mや2Lもありますが、加工用には大量に袋詰めした箱、小さいサイズが欲しいという方には特別なサイズを摘みとるなど、多用なニーズにも応えられています。

 【理想の大葉】
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西土さんは、大葉をみて「これは下の方の葉。鋸歯(葉の外側の切れ込み)が丸いですね」と、一瞬にしてどこの部位から収穫されたのか、美しい大葉との違いを見極めます。就農27年、大葉を毎日見ているとここまでわかるものなのか!と、とても驚きました。中心の軸がまっすぐで、均等に葉が広がり、鋸歯に丸みがなく、切れ込みがきれいにギザギザしているものが理想の形だそう。このような視点を参考に、大葉を手に取る際には、ぜひよく見つめていただき、もっと気軽にたくさん使っていただきたいと思います。

さて、大葉の栄養や機能性、お料理もお伝えしたいと思います。大葉には、活性酸素から体を守る「βカロテン」強い抗酸化力でアレルギー緩和が期待されるポリフェノールの一種「ロスマリン酸」が含まれています。最近では、千葉大学の植物工場にて、先端技術を使ってシソの栽培環境を精密に調整したところ、このロスマリン酸を増産させることに成功したというニュースもあり、話題となっています。
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大葉の香り成分「ペリルアルデヒド」は、胃液の分泌を促し、食欲増進を促すことや、防腐作用や抗菌作用があると言われ、刺身のつまや料理のあしらいに使われることで知られています。ペリルアルデヒドは、葉の裏側にある腺鱗(せんりん)にたっぷり詰まっています。葉の裏側はできるだけ使うまでは触らない、つぶさないようにすることをおすすめします。

お料理では、刻んで!ちぎって巻いてと使い方次第で、見た目も香り方も少しずつ変化しますので、その違いを感じ、楽しんでいただけます。薬味や飾りでよく使われますが、私は作り置きおかずを1日目はそのまま、2日目は大葉をのせて・・・と、それだけで前日とは少し違った味が楽しめるので、簡単なアレンジとしても重宝しています。
 

前日の煮物に少しのせることもあります。
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ナスの上にショウガやネギではなく、時には大葉をのせることもあります。
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同じシソ科のバジルの代わりに大葉を入れることも。トマトやチーズなどイタリア料理とも相性が良いのです。
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ワンタンの皮にチーズと大葉を入れて焼き上げれば、味付けなしでビールの簡単おつまみになりますよ。
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夏になるとよく作る山形の「だし」。オクラ、キュウリ、メカブ、ミョウガ、大葉を刻み、素麺やごはんと一緒にいただきます。
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ベーコンとの相性も抜群です!ベーコンとジャガイモを炒め、最後に刻んだ大葉を絡めます。
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たくさん大葉が手に入った時には、我が家は焼肉のサンチュや手巻き寿司の海苔の代わりに巻いて使うこともあります。その時には、ぜひ巻く直前に葉の裏側をパチンと叩き、香りを存分に楽しみながら味わってみて下さい。

 
大葉の使い方は無限大!いろいろなお料理にたっぷり取り入れて、夏を爽やかに過ごしてみてはいかがでしょうか。愛知県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの山村聖子でした。

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