まつのベジタブルガーデン

北海道秋冬だけじゃ勿体無い!生でも美味しい「とかちマッシュ」

まつのベジフルサポーターレポート

みなさま、こんにちは。
北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ上級プロ、6次産業化プランナーの田所かおりです。

北海道には、味わい深いマッシュルームがあります。その名は「とかちマッシュ®」。今回はそのマッシュルームを取材に、北海道帯広市にある農業法人鎌田きのこ株式会社を訪ねました。

もともと、香川県にある醤油製造メーカーの鎌田醤油株式会社が、鮭節のだし入り醤油を開発するために北海道に進出され、海の出汁の鮭節に対し、山の出汁を使った商品を開発する目的でマッシュルーム事業が始まりました。その後、マッシュルームの生産を担う鎌田きのこ株式会社が設立され、マッシュルームの販売は鎌田商事株式会社でされています。

とかちマッシュには、ブラウンとホワイトの2種類があります。原種に近いブラウンはコクがあり旨みの強い味わい、ホワイトはブラウンより重量を重くし、多収になるよう改良されたもので、ブラウンに比べてあっさりとした味わいが特徴です。

◆とかちマッシュの美味しさの秘密
1つ目は、ばんえい競馬から出る麦わらの馬厩肥(馬の敷きわら)を使用していること。
マッシュルームは、17世紀にフランスの馬小屋の小麦の敷き藁から自然発生し生産が始まったきのこ。そのため、マッシュルーム生産には、稲よりも小麦のわらが適しており、さらに、マッシュルームの菌糸も粗い繊維にのびていくという特徴があることから、サラブレットより、繊維の粗いばん馬の糞の方が適しているそうです。

馬の種類によってもマッシュルームのできに影響があるとは驚きですが、このように、わずかな差が味に大きく影響するとことから、堆肥に加える鶏糞も、生産管理を徹底しこだわりを持つ上札内にある「有限会社近藤ブロイラー」から取り寄せ、地元のものを使用されているそうです。
2つ目は、冷涼な気候。低温を好むマッシュルームにとって十勝の気候は最適であり、病害虫の発生も少ない事が利点です。農薬、化学肥料、漂白剤は使用せず生産されています。

3つ目は、水。マッシュルームの約90%は水であり、近くを流れる札内川のきれいな水もマッシュルームの美味しさを支える十勝の恵みです。このように、十勝はおいしいマッシュルームを生産するための条件が揃った場所だったのです。

◆生産について
とかちマッシュの生産は季節に関係なく年中行われます。生産工程は、堆肥を作り、菌種をまき、収穫が終わるまで約70日。最後の3週間で収穫のタイミングとなり、3回収穫されます。

ちょうど収穫のタイミングを迎えたマッシュルームを、特別に見学させていただきました。

施設内は湿度90%に調整されていますが、気温がそれほど高くないため、じめっとした感じはなく、どちらかといえば爽やかな感覚でした。収穫はこのように一つ一つ大事にハサミを使って行われます。


私も一つ、収穫させていただきました。


収穫したてのマッシュルームは、食卓でいただくとかちマッシュよりも歯ごたえがよく、クセがなく、噛むと旨みを感じる清らかな味わい。非常に美味しかったです。

こんなに美味しいとかちマッシュですが、キノコというと秋冬のイメージが強く、とかちマッシュの需要も秋冬に集中していて春夏の消費が少ないというのが課題。年中一定の環境で生産されるため、いつでも旬の状態を保っておいしいマッシュルームを提供されています。

シイタケなどのきのこ類は生で食べるとアレルギーが心配ですが、マッシュルームは生で食べても大丈夫。さらに、シイタケに比べ旨味成分のグアニル酸が3倍も含まれています。

気温が上がり火を使ったお料理はさけたいと感じる夏でも、生のままスライスして、サラダやカルパッチョなどに散らしていただくと、お料理にコクが加わりより一層美味しくいただくことができます。

寒い時期だけでなく、春夏にもおすすめのキノコ「とかちマッシュ」。是非、みなさまも十勝の恵みを召し上がってみてはいかがでしょうか。

◆お取り寄せ先
株式会社鎌田商事URL:http://kamagri.jp/

北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ上級プロ、6次産業化プランナーの田所かおりのレポートでした。

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