まつのベジタブルガーデン

大阪府秋の味覚「梨」日本一大きな「愛宕梨」

野菜・果物品目レポート

大阪府のベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ジュエルフルーツクリエイターの万ノ記子(マンノノリコ)です。

「天高く馬肥ゆる秋」
秋は空気が澄んでいて、空も高く感じられ、馬も肥えるような収穫期。稲穂も黄金に色づき、柿・梨・葡萄など様々な果実もたわわに稔る季節です。

梨

今回ご紹介させて頂くのは旬を迎えて出荷に追われる大阪府河内長野市にある中谷農園さんの「梨」です。

梨

「梨」と一言でいっても様々な品種があります。

梨

こちら中谷農園さんでも

  • 豊水梨
  • 幸水梨
  • 新興梨
  • あきづき梨
  • にっこり梨
  • 愛宕(あたご)梨

等々、時期をずらしてたくさんの品種の梨を栽培されています。

梨

中でも注目は大玉の「愛宕梨」。
東京都の愛宕山付近で自然交配によりできた品種で重量が1kg~2kgにもなる日本一大きな梨です。

梨

枝から大きな実が落ちないように袋掛けの上からネットが巻かれています。そして収穫後、出荷までの期間で他の梨ではしない珍しいことをします。それは収穫してからなんと約一か月もの期間、追熟させるのです。

梨

シャキシャキした食感で非常に果汁が多く程よい甘味に加え、柔らかい酸味が特徴。収穫してすぐは酸味が強く、1か月かけてまろやかな柔らかい酸味になるまでゆっくり追熟させるのです。収穫が11月に始まり12月まで追熟させやっと出荷される愛宕梨は甘味と酸味のバランスがよく果汁もたっぷり。稔りの秋が終わる初冬にも楽しめる梨としてこれから人気が高まりそうな予感です。

梨

フルーツカッティングも楽しめます。梨で器を作りフルーツを飾りました。

さて、梨は【和ナシ】・【洋ナシ】・【中国ナシ】の3つに分類され、【和ナシ】はさらに黄褐色の皮の【赤梨系】と黄緑色の皮の【青梨系】に分類されます。鳥取県の【二十世紀梨】は【青梨系】の代表品種です。【赤梨系】の代表品種は全国生産量第1位の【幸水梨】と第2位の【豊水梨】です。

梨

また、バラ科の梨は桜によく似た花を咲かせます。

梨

桜の花が咲く時期に開花し、交配作業が丁寧に行われます。

梨

こちらの画像で枝の質感が途中で変わっているのがわかりますでしょうか?【新興梨】の軒に【あきづき梨】の枝が接ぎ木されています。伝統の接ぎ木の技術を利用し、糖度が高くジューシーで人気の高い品種【あきづき梨】に切り替えていってらっしゃいます。来年度から本格的に実を付け安定した収穫が始まるそうです。

梨

こちらの画像は栃木県ブランドの【にっこり梨】。糖度が高く、大玉で【豊水梨】と【新高梨】をかけあわせてできた品種。栃木県の観光名所である「日光」に「り」をつけ【にっこり】と名付けられたそうです。10月中旬から11月中旬頃まで収穫でき、貯蔵性にも優れており、涼しい所で約2か月間も保存ができます。育種法が解禁され、こちら大阪府の農家さんでも県外への通常利用権の許諾を受け2014年から栽培が始まったそうです。【にっこり梨】も人気急上昇の予感がします。

国内ではまだまだたくさんの新品種が開発されているようです。今後も甘くてジューシーな【和ナシ】に期待が高まります。

大阪府のベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ジュエルフルーツクリエイターの万ノ記子(マンノノリコ)でした。

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