まつのベジタブルガーデン

青森県北国ならではの魅力がギュッ!と詰まった「寒じめほうれん草」

まつのベジフルサポーターレポート

みなさま こんにちは!
青森県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ・ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑(かけはた)睦子です。

2月の青森は、まだまだ雪深く厳しい寒さが続いています。そんな真冬の寒さや雪を利用して作られている、青森ならではの冬野菜があります。その中から、今回は強い甘みが特徴の「寒じめほうれん草」をご紹介します。
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糖度は8~10度とフルーツトマトに匹敵する甘さ。その甘さの秘密は東北農業試験場で開発された「寒じめ」という植物の生体反応を利用した栽培技術にあります。(平成7年度東北農業研究成果情報)

収穫間近のほうれん草のハウスを徐々に開放し、外気を送り込み寒さに慣らしていくのです。気温が下がると植物の給水能力が低下し、葉は凍らないように縮み肉厚になり、特徴的な地を這うような放射状になります。
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同時に濃い緑色になり、糖分をため込みアミノ酸濃度、栄養価や機能性成分がグンと高まります。
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もともとほうれん草は鉄分・葉酸・ミネラル・カロテン・ビタミンが豊富ですが、寒じめするとビタミンCにおいては、通常のほうれん草の3倍多くなるといわれています。(五訂日本食品成分表)
一方、気になるえぐ味の原因のシュウ酸の含有量は減るのだそう。ゆっくり育つので、収穫するまで日数はかかりますが、病害虫の発生が少なく、無加温でほとんど農薬を使わずに栽培できるのでとても経済的です。真冬の貴重な緑黄色野菜ですね。

先日、日本野菜ソムリエ協会仙台支社主催の15周年イベント「寒じめほうれん草の真実」と題した勉強会に参加しました。講師は、私も尊敬する野菜ソムリエ上級プロの宮田恵さんです。
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この栽培技術の発祥地は宮城県東松山市矢本地区(旧桃生群矢本町)ですが、確立されたのは岩手県だそうです。

寒じめ菜の生みの親、東北農業研究センターでの最初の試験では、ちぢみほうれん草に代表される「朝霧」という品種が適しているとされ、今でも多く生産されていますが、縮んでいない品種「まほろば」「ブレード」といった普通のほうれん草でも「寒じめ」により12~13度の糖度に高まることが明らかになっています。
自然の冷蔵庫のような寒さの中で、90~120日間かけてじっくり生産される。これが北海道・東北の零下を利用した、冬季限定の「寒じめほうれん草」なのです。最近は、温暖な地域で短期間に生産できる、ちぢみほうれん草も多く出回っていますが、寒じめほうれん草とは別ものです。

この日は5種類の食べ比べがありました。残念ながら青森のものは登場しませんでしたが、一番人気は宮城県矢本地区のちぢみほうれん草。また北海道名寄市の雪見ほうれん草の甘さは驚くほどでした。岩手と同じく盆地という環境が、そのようにさせるのでしょうか。
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青森では、JAのほか、弘前市近郊や青森市内の生産者さんが栽培しています。
今回は、十和田市で寒じめ栽培に取り組む太田弘子さんと隣に住む太田せつさんのハウスに伺いました。
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弘子さんは一人でハウス3棟を抱え、まる葉で適度なちぢみのある「冬霧」を栽培。
せつさんのハウスでは「朝霧」が元気に育っていました。
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JAおいらせ規定の土壌診断後、葉が土で汚れないようにマルチを施します。お二人の寒じめほうれん草は、昨年の9月30日に種を播き、間もなく糖度8度超えを確認したら、200gに袋詰めされ、十和田おいらせミネラル野菜TOM-VEGEとして出荷されます。12月から3月上旬まで販売されます。

いただいたほうれん草でグラタンを作りました。根元から茎にかけてが特に甘いので捨てずに、よく洗って使いましょう。鉄分やカルシウムはビタミンCやタンパク質を含む食材と一緒に摂ることで、吸収力が高まり貧血予防効果が期待できます。
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また、抗酸化作用のあるカロテンは、がん予防や美容効果が期待されていますから、相性のいい油と一緒に摂りましょう。

パスタなしの「ペペロンチーノ」は簡単でとても美味しく、我が家の定番です。
こちらは、ほうれん草の缶詰を食べると、超人的なパワーを出すポパイと恋人のオリーブをイメージした「ポパイ&オリーブdeサラダ」
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ほうれん草をさっと茹で、サラダスピナーでお湯をきり、お皿に盛り、カリカリベーコン、チーズ、アーモンドをトッピング。オリーブオイルと数滴のお醤油を垂らした簡単サラダです。

ほうれん草は冷凍もできるので、お浸しなら小魚や鰹節、長芋をかけたり、ゴマ和えやナムルなど、ひと手間加えれば、お弁当にも重宝します。
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シュウ酸濃度も低いので、水溶性のポリフェノールやビタミンCも一緒に摂れるスムージー(りんご・レモン・生姜・ヨーグルト)やポタージュもおすすめです。
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いろいろアレンジしてみて下さいね!

北国ならではの魅力がギュッと詰まった寒じめほうれん草は、今が旬です。見かけたらぜひ食べて下さいね!

青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ・ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑睦子でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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