提携産地レポート

愛知県【産地との取り組み】JA豊橋『ミニトマト講習会』

2015年からスタートした愛知の野菜講習会、20185月度はJA豊橋で昨年までミニトマトの販売を担当をされていた伊藤修平さんによる「ミニトマト」講習会を実施いたしました。

「まつの幸せ野菜ボックス」ではJA豊橋の「クレア」が人気アイテム、いつもお世話になっている馴染みのある商品ですが、改めて詳しく伺い魅力の奥深さを学ぶ機会となりました。

たゆまぬ努力で高品質・安定出荷を実現
JA豊橋は、トマト・ミニトマトあわせて年間50億円以上を出荷する大産地。のべ300名近い生産者の方々が部会に所属しています。この生産量にまで拡大できたのは、高品質の商品を安定的に出荷できる仕組みを整えてこられたからこそ。たゆまぬ努力によって実現した規模なのです。

充実のラインナップ
ミニトマトは「赤」が「麗(糖度9度)」「美(8度)」「愛(7度)」の3ブランド、カラフルミニトマト「あまえぎみ」シリーズが8ブランド、充実の品揃えです。

2007年(平成19年)に「あまえぎみ(当時は漢字表記で『甘恵黄味』)」がスタートして以降、次々と新ブランドを登場させラインナップを増やしてこられました。

豊富なラインナップは、ユーザー側の選択肢が増えるだけでなく、産地全体の技術を底上げするための仕組みにもなっていると伊藤さんは話します。

「ブランド『愛』は、安定した食味の商品であると同時に、高糖度アイテムにチャレンジする際のはしご的な役割も持っています。『愛』というステップを踏むことで、『麗』や『美』へチャレンジしやすくなり、高糖度アイテムの更なる数量安定につながっています」

養液・長期栽培を中心に、味のブレのない安定出荷を実現
トマトの栽培には土に苗を植えて土壌中の栄養素で育てる「土耕栽培」と

必要な養分を液体で与える「養液栽培」とがあります。

「養液栽培の方がミニトマトに与える栄養分をコントロールしやすく、味のブレが少なくなります。そのため、『あまえぎみ』シリーズは養液栽培を必須としています。

また、7・8月に苗を植え翌年7月まで収穫するシーズンの間に、途中で苗を植え替える「短期作」も『あまえぎみ』では禁止。一度植えた樹で、シーズン最後まで収穫できるよう技術指導を行っています。これによって植え替えの際に一時的に収穫量が落ちる『端境期』ができることなく、シーズンを通して安定的な出荷が可能になりました。

ミニトマトの高糖度については『養液・土耕』、『長期・短期』の選択は自由ですが、やはり養液栽培が増える傾向にあります」

厳しい検査による糖度保証
高糖度アイテムは、生産者が自主検査を行ったうえで、JA職員によるハウス検査に合格すると出荷ができるようになります。

「さらに、出荷時にも糖度検査を行い、それに合格してはじめて『麗』や『美』などのブランドを名乗ることができるのです」

ミニトマトのことを話し始めたら止まらない伊藤さん。トマト愛を感じます!

シーズンを通してブレない美味しさ・数量を安定的に供給する。言葉にすれば短いこの表現の裏に、どれほどの研究と試行錯誤、絶え間ない工夫があるのか、その一端を垣間見させていただいた講習会でした。 

長年、ミニトマトの販売に携わってこられたからこその突っ込んだ内容の濃いお話を伺うことができ、あっという間の1時間。

「生産者の方々の見解を知る事ができ、お客様へご説明できる知識が増えた」(営業担当)

「改めて栽培方法や品種のちがいによる糖度の違いなどを知ることができて良かった」(出荷担当)

「麗・美・愛・希のそれぞれの産地の農家さんへの役割が明確になってよかった」(仕入れ担当)と、参加者それぞれの立場から勉強になったとの声がきかれました。

産地の方々の努力の結晶である「ミニトマト」のバトンを受け継ぐ立場として、商品だけでなくストーリーもお伝えしていなかなくてはと切に思います。 

伊藤さん、貴重なお話をありがとうございました。今後とも何卒宜しくお願い致します。

 

 

 

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