松野貞文の全国視察レポート

栃木県大空に届くような素晴らしいいちご「スカイベリー」

「いちご王国」と称される栃木県を訪れた松野社長。農業試験場いちご研究所で、最高級のいちご「スカイベリー」に出会いました。栃木県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエの黄千純(ふぁんちょんすん)さんのレポートです。

栃木県代表のいちご「スカイベリー」は、果実がとても大きくて甘みが濃厚、見た目も迫力のある二等辺三角形。存在感のあるいちごです。

そんなスカイベリーとは?
「大きさ、美しさ、おいしさのすべてが大空に届くような素晴らしいイチゴ」また、栃木県、群馬県の両県にまたがる日本百名山の一つの皇海山(すかいさん)にもちなんだ名前です。平成24年に誕生し、5年前に品種登録されたばかりのまだ若い品種ではありますが、いちご王国栃木の女王になれる可能性を感じる貫禄。

栃木県はいちごの生産量、販売金額、作付面積など、どれをとっても日本一。
(詳しくはこちら→農業試験場いちご研究所

いちご研究所の石原良行所長から栃木県のいちごについて、たくさんのお話を伺いました。栃木県では昭和20年代後半ごろ、神奈川県などからいちごの苗を譲ってもらい、作り始めたそう。徐々にいちご生産者が増えるなか「栃木県に合った品種を作ってもらえないか」ということで、昭和40年代からいちご研究所で品種の研究が始まりました。

当初の一番の課題は、12月クリスマスシーズンに合わせて出荷できるいちごの品種開発。いちごの本来の旬は3〜4月。でも、いちごの需要が高まるのはクリスマスの時期。その頃に収穫しようとすると、当時はどうしても果実が小ぶりで味も劣ってしまったとか…

それでも当初はとにかく真っ赤ないちごが真っ白な生クリームのケーキに乗っていればいいという感じでしたが、だんだんと大きさや味そのものにもこだわった真っ赤な美味しいいちごが要求され始め、新品種の開発に熱が入りました。

そうして15年間の研究の末、誕生したのが女峰(にょほう)です。昭和60年代、女峰は栃木県を活気づけました。女峰は年内から収穫ができ、耐病性もあり作りやすく輸送性に優れた品種。甘みや酸味のバランスも抜群に良いと、消費者にも喜ばれました。まさに非の打ちどころがないいちご。それからは「東は女峰、西はとよのか」と言われるくらい有名になりました。

この女峰を皮切りに、栃木県で開発されたものは8品種にのぼります。

1、女峰(にょほう)
2、新女峰(しんにょほう)
3、栃の峰(とちのみね)
4、とちおとめ
5、とちひとみ
6、とちひめ
7、なつおとめ
8、スカイベリー

一度は耳にした名前があるのではないでしょうか?とくに女峰の後継品種である『とちおとめ』は、今では全国のいちご作付面積の約3割を占めています。

いちごの品種は今では実に200種類以上。その中でも「スカイベリー」はその名の通り「空にも届く美味しさ」を目指すいちご。ただ、品種の良さを引き出す栽培技術が要求されるため、まだ一般には広く出回らない希少ないちごです。

いちごは買って食べるのも良いですが、スカイベリーは圃場で完熟した美味しさを味わっていただきた品種。今年はぜひともいちご狩りを体験してみてはいかがでしょうか?

栃木県にはスカイベリーのいちご狩りができる場所が増えつつあります。6月下旬までオープンしている農園もあるので、まだ間に合います。ぜひいちご王国栃木で絶品のスカイベリーを楽しんでください。

関東の最新レポート